東京は長い間日本国の首都ではありませんでした。
江戸時代に徳川家康が東京にやってきてここを将軍様のお膝元として開拓、開墾し、出来上がったのです。やがてここは江戸と呼ばれており、大都市ではありましたが決して日本国の首都ではありませんでした。
では日本国の首都はどこだったのでしょうか?
それは京都なのです。
京都は天皇が居住する都市です。首都とはすべて天皇の居住する場所のことを言います。奈良時代以前の藤原京も飛鳥京もすべて天皇が居住する宮殿があったところが首都となっているのです。ですから天皇の居住地が変わると遷都といって、首都が変わったのです。
794年に桓武天皇が現在の京都市に宮殿を移してから明治天皇が1869年に東京に移り、江戸城を皇居とするまでの約1100年もの間、京都は日本国の首都だったということです。
そして明治天皇の東京への遷都にはこんな逸話が。
東京へ遷都するということで京都の人々は大反対しました。大きな勢力をもつ貴族たちも猛烈に反対。そこで、天皇は江戸へ行幸(天皇の旅行のこと)しますよ、といって江戸城へと行きました。1回目は京都へ無事帰ってきたのですが、明治2年の行幸ではそのまま江戸へ落ち着いてしまいました。そして江戸は東にある京として東京といわれることに。
ですから京都の人たちは東京に天皇がいるのはあくまでも行幸中、東京は仮の首都、やがては京都へ戻ってくるといっているのだそうです。