結婚式といえばウエディングドレスが一般的でしたが、最近は和装での結婚式がじわじわとブームになっています。ドレスとはまた違う華やかさ、美しさを表現できるので大人の女性にもピッタリ。中でもさまざまな色・デザインを組み合わせることで高いファッション性を出せるのが色打掛。そんな色打掛でよく見かける定番カラーが朱色。朱色は黄みを帯びた鮮やかな赤色のことで、神社の鳥居や朱肉の色としても馴染み深い色です。なぜ朱色がよく使われているのでしょうか。
まず「白」「黒」「赤」という結婚式でよく着られる3原色を基本とする考え方があるのが理由です。白は白無垢、黒は黒引き(着物のおはしょり部分をあまり取らずに裾を引いた振袖)、そして赤は色打掛のこと。生命を象徴する血液の色である赤は生まれ変わりや新しい生活を意味するとして色打掛の基本の色になったといわれています。
歴史的な意味合い以外にも、朱色には色そのものに暖かい火、輝く太陽、魔除け、魔力への対抗、災厄を防ぐ、子孫繁栄などの豊穣など女性を助けるたくさんの意味が込められています。これから新しい人生をはじめようとする女性に輝きを与え、応援し、悪いものから守る、パワーに満ちあふれた色なのです。また、朱色は私たちが頭の中でもっともイメージしやすく目に入りやすい心理四原色の1つ。色自体に惹きつける力があり、場にも映えるため式や披露宴にもピッタリで、顔映りもキレイになります。
これだけの定番カラーである朱色をメインにした色打掛は非常に多く作られています。あまりにも数が多くて悩んでしまうかもしれませんが、裏を返せば選択肢が多い分、自分の気に入ったものが必ず見つかるはずです。色打掛レンタルを行っている銀座の京鐘などでも柄、刺繍ともに豊富なレパートリーが用意されているので、洋服を選ぶような感覚で自分の琴線に触れるものを選んでみてください。定番カラーだからこそ伝統的にも個性的にも仕上げられます。